娘の里帰り出産のため、全ての予定をキャンセルしますという秀美さん
先日、60歳の誕生日だった秀美さんは同じ年の友人と還暦祝いを兼ねたランチの席でこんなことを言い始めました。「もうすぐ娘の薫が里帰り出産で戻ってくるの。初孫が生まれたら今やっている習い事などはやめようと思ってて」みんなはびっくりして質問ぜめです。
「私の全ての時間は孫と娘のお世話に集中させるわ」「外出の多い私が原因で娘たちが感染症や胃腸炎になるかもだしね。私が家族を守らなくっちゃ」どうやら心配で頭がいっぱいになり、出した答えが「私の予定はオールキャンセル」だったようです。
実は楽しみはやめたくない、続けたい
私は秀美さんの決意に驚きましたが「外出好きなあなたが外出しない宣言なんてね。ストレスに気をつけてね〜」と茶化して言うと「実はね、娘が帰ってくるのも孫のことも楽しみなんだけど、ランチも好きだしカルチャーも本当は中途半端でやめたくはないんだよね。でも娘と孫の世話はしっかりやらなくちゃいけない。それで究極の選択で、自分の予定はバッサリ諦めることにしたの」と真顔の返事が返ってきたのです。
赤ちゃんの世話は自分がするべきと思い込んでいたかも
私は「もしかして赤ちゃんの世話は自分1人でやらねば」と思っている?と聞くと、びっくりして「そう思ってるよ。自分の時も母がやってくれたし、無意識にそれ以外考えてなかったわ」と言います。
そのブロックがそんな極端な答えを出さざるを得なかった悩みの原因かもよとブロック解除をお勧めしました。
「やってみたい」と言うのでブロック解除をした後、秀美さんはお茶を飲みながら「薫もお腹の赤ちゃんも今、特に健康に問題はないのよね。もう少し娘や旦那と話し合ってみる。育児や家事が女親の仕事だなんてもうそんな時代じゃないよね。」と帰っていきました。
娘夫婦の育児を応援する立場だと気づいて
次の週末、ショッピングモールで秀美さんに会いました。私を見つけて駆け寄ってきた秀美さんは「あの後ね、娘に相談したら怒られてしまったの」と話し始めました。
「赤ちゃんを楽しみにしてくれているのはありがたいけれど、私たち夫婦の子供で、私たちだって初めての子育てをとても楽しみにしているの。大変だろうけどやってみたい。だからあまり手を出さないで欲しい」とピシャリ。そして「お母さんが忙しいのは承知で里帰りするのだから、無理に予定を変えないで」と言ってくれたそうです。
「私も初孫だって気負いすぎていたかもしれない。薫からは基本的にSOSを出したときだけ手伝ってって言われたわ。今は時代が違うのね。若い2人を見守るくらいにしておかないとね。これならカルチャースクールをやめなくても大丈夫かも。習い事や友達は、私の人生に必要不可欠なものだから、やめちゃうなんて最悪の決断をせずによかった。これからも大切にしていくわ。あなたに相談してよかったよ。今度ランチご馳走するね!」と笑顔で旦那様のところに戻っていかれました。
誰にだって人生は一度きりです。先のことを心配するあまり、楽しい予定をあきらめるのは、もったいないと思いませんか。気軽にお近くのマインドブロックバスターにお声がけください。心の負担が軽くなりますよ。
(公認リサーチャー 鷲浦朱里)