突然の事故で入院することに
香苗さんは50代女性。子育て中もフルタイムで働いてきました。子供が独立して、
「やっと仕事に集中できる。今まで以上に働いてキャリアを積んでいこう」と思っていました。
ところが、突然の事故で骨折して入院することになってしまいました。香苗さんは元気が取り柄で、今まで病気や怪我で入院した事がありません。ショックを受けていました。
入院中気分が落ち込んで
病院のベッドの上で身動きができない中「元通り動けるようになるんだろうか?仕事に戻れなかったらどうしよう」と不安や焦りでモヤモヤしていました。香苗さんは看護師さんにグチばかりこぼしていました。
リハビリが始まって、香苗さんはなかなか歩けるようにならないし、今までのように体を動かせないことに苛立ちを覚えていました。リハビリが辛くて苦しくて、なかなかやる気が出ません。
友人にブロック解除してもらうと
リハビリがうまくいかない中、友人がお見舞いに来てくれました。子供が小学生の時から一緒だったママ友の里絵さんです。彼女とは今でも時々会ってお茶する仲で、何でも話し合えるお友達です。
「香苗さん、具合はどう?」
「里絵さん、お見舞いに来てくれてありがとう。入院中って暇だから考え事をしてしまって、気分が落ち込むのよね」
「それは困ったわね。そうだ、お見舞いにブロック解除してあげようか?」
「ブロック解除って何?」
ブロック解除とはマインドブロックバスターの手法だそうです。
「ブロック解除すると気分の落ち込みが解消できるかもしれないよ」と言われて香苗さんは、せっかくだから「ケガが良くならなくて不安」をブロック解除してもらうことにしました。
里絵さんは香苗さんの手を取りました。
「ブロックのイメージはおまんじゅうです」
「おまんじゅうが悪いの?」
香苗さんは思わず聞いてしまいました。
「イメージに意味はないの。気にしなくて大丈夫よ」
香苗さんは訳が分かりません。
「解除のイメージはブランコです。」
香苗さんは気になりましたが、とにかく続けてもらうことにしました。
「2つのイメージを入れ替えます」
里絵さんによると、イメージを入れ替えると潜在意識が変わって不安な気持ちが解消されるそうです。香苗さんは半信半疑でしたが、里絵さんにお見舞いに来てもらっただけで少し気分が晴れました。
ブロック解除で気持ちが前向きに
香苗さんが次のリハビリで順番を待っていた時のことです。ふと見ると、新しい患者さんがリハビリを受けていました。その患者さんは、なかなか足が前に出ず辛そうです。
「私も初めは同じだったなぁ」
香苗さんはリハビリを受け始めた頃のことを思い出していました。初めに比べれば、今は随分良くなってきていることに気が付きました。
その時、そばに寄り添っている理学療法士さんが辛抱強く見守って懸命に励ましている姿が目に入りました。
「そうか、理学療法士さんが、ああやって私のことを支えてくれていたんだ」
今までの香苗さんは「そんなこと言われたってできないのに」と理学療法士さんの指示をうるさく感じて、言われた通りやろうとしませんでした。
ところがこの日は素直に指示された通りやる気になったのです。すると今までできなかった動作がぎこちないものの何とかできました。
「今日はよくがんばりましたね」
香苗さんは理学療法士さんにほめてもらって、心が和みました。
病室に戻ると来てくれた看護師さんから
「今日は顔色がいいですね」
と言われて、香苗さんはうれしくてリハビリがうまくいった話をしました。
そういえば、看護師さんにはいつもグチばかりこぼしていたのです。
香苗さんはこんなに気分が変わったことにびっくりしました。
「これって里絵さんにやってもらったブロック解除のおかげ?」
香苗さんは里絵さんに聞いたマインドブロックバスターをスマホで検索してみました。ホームページを見た香苗さんは、退院したらマインドブロックバスターの体験講座を受けてみようと思いました。
(公認リサーチャー 阿部桃子)