せっかく入ったサークルで困った
さやかさんは50代後半の会社員です。定年後を見据えて何か趣味を見つけたいと思っていたところ、地元の公民館で茶道サークルをやっていることを知りました。
さやかさんは学生時代茶道部だったので、また茶道をやってみようと入会することにしました。
茶道サークルに行ってみると、月に1度着物を着てお点前をするのが楽しくて、学生時代に戻ったようでした。サークルの人たちにも受け入れてもらって、出来る限り続けたいなぁと思うようになりました。

ところがメンバーのひとり、凛さんから嫌われているようなのです。
凛さんは
「さやかさんのお着物素敵ね。でもちょっと派手かも」と、何かとチャチャを入れたり
「茶道具はもうちょっと丁寧に扱っていただけないかしら」
とさやかさんのやることにいちいちケチをつけたりすることが続いています。
しかもサークルの人は、誰もさやかさんをかばってくれず、むしろ凛さんに同調している節があります。

サークルで仲良くなったフミさんに、凛さんのことを聞いてみると
「凛さんの家は地元の有力者で、そのおかげで会場も優先的に使わせてもらっているの。だから皆、凛さんには言い返せないのね」
と教えてくれました。
「私も凛さんにいろいろ言われたわ。とにかく逆らわずに、はいはいって言っていればいいのよ」
とアドバイスしてくれました。
「そう言われても嫌になっちゃった。このままでは続けられそうもないわ」
さやかさんはどうしたらいいか悩んでしまいました。
サークルをやめたくない!解決策はある?
サークルの後、さやかさんはフミさんとお茶することにしました。
カフェに行くと
「あら、フミさん」
と二人連れのお客さんの一人が手を振って挨拶してきました。フミさんも手を振って挨拶しています。
「あの人フミさんの知り合い?」
「そう。彼女はマインドブロックバスターっていうのやってるの。私は受けたことないけど」
「マインドブロックバスター?」
フミさんは、「聞いた話だけど」と断ってから悩み事を解決する手法だと簡単に説明してくれました。
フミさんは興味なさそうでしたが、さやかさんは『悩み事を解決する手法』と聞いて、マインドブロックバスターのことが気になって、頭から離れませんでした。
さやかさんは帰宅してから、マインドブロックバスターのホームページを見てみました。いろいろ調べてみて、とても興味を持ったのでマインドブロックバスターの一人に連絡してみました。
そして何度もやりとりをして、オンラインでブロック解除してもらうことにしました。
約束の日、さやかさんは緊張気味でした。
「こんにちは。マインドブロックバスターのミミです。よろしくお願いします」
優しそうなほっこりした雰囲気の女性が画面に現れたので、さやかさんはホッとしました。

「さやかです。よろしくお願いします」
「さやかさんのことを嫌っている人がいて、困っていらっしゃるんでしたね」
「そうなんです。その人のせいで、茶道サークルを続けていけるか悩んでいるんです」
「分かりました。ではブロックのイメージを見てみましょう」
と言ってミミさんは目をつぶりました。さやかさんは狐につままれたような不思議な気がしました。
ブロック解除が終わってミミさんが
「ブロック解除すると、潜在意識が変化して、その人にとって一番良い方向に物事が変わっていきますからお待ちくださいね」
と言ってにっこり微笑みました。
終わってみると、気持ちがスッキリしていました。
さやかさんは、どんな効果があるんだろうと楽しみになりました。
市の文化祭で思わぬ展開になった
次に茶道サークルに行った時のことです。
毎年秋に市の文化祭が開かれます。今回はさやかさん達のサークルが来場者にお茶を振るまう事が決まりました。
さやかさんはフミさんと一緒にお手前をすることになりました。さやかさんはフミさんと気が合うので、文化祭に参加することが楽しみになりました。
2人で事前の準備をしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
「さやかさん、たくさんのお客様にお茶を出すのは大変じゃない?あなたにできるの?」
さやかさんはまた凛さんに嫌みを言われましたが、フミさんとの打ち合わせに集中していて気にならなくなっていました。
「あれ、今日は凛さんの嫌味が気にならなかったわ。これがブロック解除の効果かしら?」
そして文化祭当日、さやかさんとフミさんが来場者の方にお茶を振る舞っていると、高齢の男性が近づいてきました。
「懐かしいね、さやかさんじゃないか。いいお手前でしたよ」
「まあ先生、お久しぶりです。褒めていただいて光栄です」

男性はさやかさんの学生時代の茶道部顧問でした。今では地域の茶道連盟の世話役をやっています。まさか先生が市の文化祭に来場するとは思っていなかったので、さやかさんは嬉しい反面とても意外に思いました。
「もしかして、これもブロック解除の効果なの?」
さやかさんが茶道同盟の世話役と知り合いだったことがわかって、サークルの仲間はびっくりしていました。
それだけでなく翌週サークルに行くと、凛さんが今までと打って変わってにこやかに挨拶してくれました。

「さやかさん、先生のお弟子さんだったのね。私も先生にお世話になったのよ。これからもよろしくね」
さやかさんは凛さんの態度が激変したことに驚くと同時にほっとしました。
「これでもう凛さんに嫌味を言われる心配はなくなったわ。ブロック解除のおかげね」
さやかさんは茶道サークルをやめなくてよかったと思いました。これからも続けていけそうです。
(公認リサーチャー 阿部桃子)







